プロフィール

  • 阿部海太郎 Umitaro ABE

    作曲家
    • Photo: Takashi Homma

    1978年生まれ。
幼い頃よりピアノ、ヴァイオリン、太鼓などの楽器に親しみ、独学で作曲を行うようになる。東京藝術大学と同大学院、パリ第八大学第三課程にて音楽学を専攻。クラシック音楽など伝統的な器楽の様式に着目しながら楽器の今日的な表現を追求する。楽曲のみならず、コンサートの企画やアルバム制作など、すぐれた美的感覚と創造力から生まれる独特で知的な音楽表現に多方面より評価が集まる。

    シェイクスピア作品をはじめとする蜷川幸雄演出の劇音楽を度々手掛け(2008年~2016年)、戯曲と演出の両面に向き合いながら劇音楽の新しい可能性を追求した。『W座からの招待状』(2011年秋~毎週日曜/WOWOWシネマ)では、メインテーマのほか、毎週のアニメーション(絵:信濃八太郎 文:小山薫堂 声:濱田岳)の音楽と音響効果を担当している。『日曜美術館』(2015年4月より放送分/NHK)のテーマ曲を作曲。

    インバル・ピント&アヴシャロム・ポラック演出のミュージカル『100万回生きたねこ』(2013年初演、2015年再演/ホリプロ)では作曲(ロケット・マツと共作)および音楽監督を務め、舞台作品における音楽への知恵と感性を発揮。インバル&アヴシャロムによるダンス作品『WALLFLOWER』の音楽を作曲し(権頭真由、中村大史と共作)、テルアビブ公演(2014年7月)と東京公演(2014年10月)に生演奏で出演した。インバル&アヴシャロム演出の『百鬼オペラ 羅生門』(2017年/ホリプロ)で再び音楽監督と作曲(青葉市子、中村大史と共作)を担当した。

    長編アニメーション映画『ペンギン・ハイウェイ』(2018年公開/石田祐康監督)では、登場する小学生たちの繊細な心情と物語が放つファンタジー性を音楽で緻密に表現し、オリジナルサウンドトラックも好評を博した。

    これまでに発表したアルバムは、留学時代に制作し音楽とフィールドレコーディングに対する独特な視点や作曲力が注目された『パリ・フィーユ・デュ・ カルヴェール通り6番地』(2007年)、クラシックを土台にした自由な編成の室内楽を聴かせた『SOUNDTRACK FOR D-BROS』(2008年)、アンサンブル楽曲を中心に様々な音の構築に挑んだ『シネマシュカ、ちかちかシネマシュカ』(2012年)、文化施設「クレマチスの丘」のために作曲した曲を収録したアルバム『The Gardens -Chamber music forClematis-no-Oka』(2013年)、NHKのテレビ番組のために書き下ろした楽曲を自らの視点で再構成した『Cahier de musique /音楽手帖』(2016年)。『シネマシュカ、ちかちかシネマシュカ』では、シングルカットとして7インチアナログも発表した。

    2019年には楽譜集『阿部海太郎ピアノ撰集 —ピアノは静かに、水平線を見つめている』がシンコーミュージックより刊行された。

    作曲活動の傍ら、演奏活動も行っている。2011年と2014年には、アンサンブル編成の演奏に画家のnakabanを迎えたコンサートを国立科学博物館の講堂で開催し、独自の表現姿勢ならではの音楽空間をつくりあげて話題となった。音楽家のトウヤマタケオと共に不定期に企画、開催する『2台のピアノによる演奏会』は、2人の音楽の掛け合いと融合が評判を呼んでいる。